強迫性神経症 | 強迫性障害 | OCD体験記・子育てブログ

強迫性神経症(強迫性障害/OCD)の娘と向き合う父親の体験記・子育てブログ

138.ピアス

2008.08.19 [ Edit ]

いつ頃からか、イヤリングという言葉が若者の間では使われなくなった。
最初は耳に穴を開けるものだけだったが、
鼻や唇、身体のあちこちにも穴を開けるようになった。

こんな言い方、昭和のおっさんそのものです。

あまりの世の中の平気な受け入れ状況に、
反論をすること自体いけないことのようで、
思いを言葉にしたことはないのですが、
私個人の密かな思いとしては、良いものとは思えないんです。

親父の長兄、私の伯父さんですが、背中に浮世絵が彫ってありました。
若い頃、そういう仲間がいたそうです。
伯父さんは、無口で、怖くて、優しくて、強そうな昭和の人でした。
同じ年頃のいとこが3人いたので、幼かったころは、
山奥に住んでる伯父さんの家に、夏休みは必ず半月くらい泊まっていました。

自分の息子たちといっしょに遊ぶ、弟の息子の私を、
自分の子と同じように叱り、自分の子と同じように可愛がってくれました。

可愛がってくれるといっても、ほとんど話はしていません。
黙って、子供が遊んでいるのを見守ってる、
微笑みながら見守ってる、
そして、子供たちが危ないところに行こうとしたり、
危ない遊びをしそうになると、怖い声で一喝するのです。

まだ小学校の低学年だった私と、私より一つ下の従兄弟が、
伯父さんと3人で風呂に入っていた時、
背中に綺麗な和服の女の人が描いてあるのを初めて見ました。
なにか言いそうな私に従兄弟が目配せをして止めたので、
なんとなく話したらいけないことの様な気がして、
見入りながら、黙ってじっとしていた私を、うっすら覚えています。

伯父さんは、それに気づいて、にっこり笑って、なにか私に言いました。
伯父さんが、なにを言ったのか、今でも思い出せません。

中学になった頃だったと思います。
親父に伯父さんの背中の刺青の話をしました。
親父の説明によると、若い時に、今はヤクザの親分になってる人と仲が良くて、
その人といっしょに彫ったのだそうです。
「兄貴は、後悔しとるんや。」
説明してくれたあと、親父がぼそっと、付け加えました。

その時に、親父が私に言ったこと、
「親からもらった綺麗な身体を汚したらあかんのや。」

この親父の話は、古臭い話かもしれません。
でも、ひっそりですが、私は今も、この話を良い話だと考えています。
古臭いかなと自分自身も思うところがあるので、
外に強く主張したことはないのですが。

16歳のときに、息子が背中に竜の刺青をしてきました。
私が殺しかねない勢いで殴った時、じっと耐えてた息子は、
亡くなった親父が、ほんとに可愛がった孫でした。
そのあと、痛い手術と2ヶ月の入院で、竜は醜い傷跡に変わりました。
その傷跡を見るたびに、可愛そうにと私の心が涙します。
傷跡だけで、明るく優しい息子なので、それほど悲しいことはないのですが、
そうさせてしまったのは、私にも責任は当然あることで、
そういう意味で可哀想にと、思うのです。

妹娘は、平気で耳に穴を開けています。
中国から帰ってきて、背中にきれいな花一輪の刺青を見せています。
これに対して、ぜんぜん気にはなりません。
今はこういう時代だからと、私も素直に受け入れはできるのです。
娘の背中の花を見て、なんか複雑な感じがします、
私の中の双方の意見が折り合っていることに。

今日、姉娘の調子が少し悪かったので、二人で喫茶店へ行ってきました。

その時、娘の左の手の甲にできた煙草の火を当てた跡を、
ぼーっと眺めていた私。
「生きるのしんどいって思う時、煙草の火を手に当てたらすっとする。」
母親が必死に止めているのに次々に作った火傷の跡。
「父さんが怒ったら、私は死んでしまう。」
その言葉に、娘を叱ることをほとんどしていない私ですが、
火を押し付けようとしているのを見つけたときは、大きな声で叱りました。
なんとか、9個目で止めようと思ってくれたので良かったです。

ゆっくりコーヒー飲みながら、九つ綺麗に並んだ火傷の跡を、
ぼーっと眺めていた私が、ぼーっと考えていたこと。

自分の身体に傷をつけること。
ピアスのこと。

うちの子供は3人とも傷があるなあと、ぼーっと考えていました。
残念とか、そんな感じではないのです。

うまく言えませんが、
やっぱり、ぼーっと考えていたのです。

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強迫性神経症(強迫性障害 | OCD)と闘う父親の日記。画像は娘が描いたものです。

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