強迫性神経症 | 強迫性障害 | OCD体験記・子育てブログ

強迫性神経症(強迫性障害/OCD)の娘と向き合う父親の体験記・子育てブログ

317.許してください

2009.02.21 [ Edit ]

妻と娘が話しているのを、コタツの向こう岸で、横になってテレビを見ながら聞いていた。

「ゲンは友達が、多いなあ。」
「買い物から帰ってきて、車降りたら、知らんお兄さんが家の前で立ち止まってはったんや。」
「ちょっと気持ち悪い人やなあと思って見てたら、ゲンに声かけはったんや。」
「そしたら、ゲンが、もう歩けへんくせに、ヨタヨタ歩いて小屋から出てきよったん。」



「お兄さんに、なでてもらっとったわ。」
「ぜんぜん、どこの人か知らん人やったけど、ゲンは知り合いみたいやった。」
「ゲンは、たくさん友達がいて、人気者やなあ。」

「そうやなあ、ゲンは、怖い顔しとるけど、おとなしいし、優しいし、人気者やなあ。」



「母さんの知らん人も、ゲンの友達たくさんいてはるで。」
「このひとだれやろって思う人が、ゲーンって声かけていかはるしなあ。」
「小学生の登校時間は賑やかやでえ、ゲーン行ってきまーす、って声だらけや。」

「ええなあ、ゲンは。」

会話には参加しませんでしたが、私も、年老いて弱ってきているハスキーのゲンを、一人で想っていました。

それからしばらく沈黙があって、小さな娘の声。
妻に話しているのではなく、独り言。



「わたしの命、ゲンにやりたいなあ。」
「生まれて来おへんかったらよかった。」

ぼんやりしていた私の耳が、びくっと反応しました。

妻にも聞こえたようで、

「えっ、なに?」

「わたし、生まれて来おへんかったらよかった。」
「わたしの命、ゲンにやりたい。」

もう一度、今度は、はっきりと聞こえる声で言い、そのあと黙り込んでしまいました。



起き上がって、コタツの向かい岸の娘の席の横に私が座った瞬間、
大きな声で泣き出しました。

泣きながら、何度も何度も、
「生まれて来おへんかったらよかった」を繰り返していました。

私は、黙って背中をさすりながら、さすっている手から感じる娘の悲しみを想っていました。

「迷惑はかけたくない。」
「負担になりたくない。」
「我儘やて解ってるのに、甘えてしまうのはいやなんや。」
「30歳を超えているのに自立でけへん。」
「わたしには、なにもない。」
「寂しい。」
「苦しい。」
「もう、いやや。」
「生きるのが、しんどいんや。」

さすっている私の手から、娘の声が聞こえてきます。

そして、私の頭の中の声。

「しんどいなあ。」
「疲れたなあ。」

またも、賽の河原の石積みで、積み終える前に、鬼に蹴飛ばされてしまいました。

繰り返し繰り返し、突き落とされる奈落の底。

「俺は、どんな悪いことをしたのかなあ?」
「いつまで苦しんだら、許してもらえるのかなあ?」
「だれに謝ったら、許してくれるんやろ?」

Comment

誰も悪い事なんかしてない。何にもしてないです。今までとは違う鬼です。今まで来た憎たらしい鬼とは違う… そんな気がします。もうひと踏ん張り!頑張って下さい!出口の目前で娘さんもがいてるんです。ゲンの命と娘さんの一歩とが混同してしまったんです。優しい娘さんだからゲンを思いやってのことだと思います。 出口はそこまで来てます。 きっともうすぐですから。

おっさんが弱音吐くことあまりない気がして
今回は許してくださいだなんて…
つらそうなのが何倍にも伝わりました

それでいいと思います
つらいときはつらいでいいと思います
年齢、性別なんて関係ないし

簡単に言えませんがさまざまな娘さんの葛藤が伝わります


何もできないけどわたしもおっさんの応援団でいたいし

きっと出口に近づいていると信じています

しずくさんへ

娘のくちぐせ、「生きるのしんどい。」が、時々深く心にささります。

しんどいこと、ほんまに多い。
ある仲間の娘に、羨ましいことは、たくさんあるから我慢せんでもええ、羨ましいと思うことは、仕方ないことやでって言ったら、彼女の返事で、母さんに、人を羨んではいけないと言われた、だから、羨ましいを封印しますって書いてありました。
母さんの言うことは正しいことなんやけど、無理せんでええからなと、もう一度返しておきました。

口で言うと、簡単なんやけど、苦しい時は、頭が混乱してしまいます。
弱きものですね、一人の人間。
助け合わないといけません。
温かい言葉、ありがとうございます。
毛利元就の三本の矢です。
仲間とともに闘わないと負けそうになります。
どうぞ、いっしょに歩いてください。
頑張ります。

さきさんへ

実は、弱虫。
実は、あかんたれです。
加えて見栄張りやから、ぎりぎり持ちこたえてるかなあというところ。
まあ、だれもが実はというところでは、そうなんやろうね。
弱いもの同士が力をあわせて歩いて行くことにしましょう。
お互いが、お互いの応援団です。
しんどい時、悲しい時、寂しい時、必要なものは隣にいてくれる人です。
見守ってくれて、支えてくれて、贅沢を言えば、見えないように。
そんな仲間をたくさん作って、しんどく生きて行くことがあっても、いつも頓服があるように、支えあって歩いていきましょう。

温かい心が伝わるような励まし、ほんとにありがとうございます。

はじめまして

はじめまして。近頃このブログを読み始めてはまっています。

私も娘さんと同じような娘を持っています。
うちの娘はまだ21歳ですが13歳から苦しんでます。いや、もっと前からきっと苦しんでたと思いますが気付いてやれなかった。究極にならないと気がつけない情けない母だと思います。
娘は拒食症という依存という脅迫障害を抱えています。
あなたと同じように娘に泣かれると同じように心で思います。
この泣きわめく苦しい時間が娘も私も早く過ぎ去る事をどこの神かわからないですが祈らずにはおれません。
今 娘は調子の良い時は家事の手伝いと手芸とドラマや映画録画を見て楽しんでいます。

世間の娘さんとうちの娘は随分掛け離れてて、やはり生きてる価値を問われますが、生きてる意味、生まれた意味があると答え続けてます。
これは私自身にも言い続けてるんだと思います。
いつかは意味の解る時が来る。それまでは苦しいけど生きてて欲しいと日々諦めずに頑張ってます

励みになるブログに出会えて感謝しています。

これからもよろしくお願いします(^_^)

お父さんへ

出口が見えそうになると、霧がかかってしまうのかもしれない。
みんなで頑張って、出口を見つけたいね。
誰も悪い事なんてしてない、だから出口が見つかるはずだよね。

おやじさんが、サッカー仲間から元気をもらっている事を祈ります。
おやじさん、娘さんの事以外にも、ここに来る私らに自分の事のように親身にコメントをくれるので、脳がこっち寄り過ぎてしまっているのでは…
とてもありがたいのですが。

ミミリンさんへ

苦しさ、辛さ、身にしみてよくわかります。

希望を持って、諦めないで、一段ずつですが、いっしょに階段を上りましょう。
代わってやることも出来ないし、全部は解ってやれないかもしれませんが、絶対守り通してやりましょうね。

これからも気軽に声かけてください。
仲間として、がんばりましょう。

solへ

そうや、そのとおりや。
絶対に出口は見つかるからな。
諦めないで、ええんやで。
一歩ずつ、いっしょに歩こうな。

さくらさんへ

そんなことないですよ。

ここに、たくさんの仲間があること、感謝することがあっても、負担に思ったことなどありませんから、安心してください。
共に闘っていることで、大きな勇気をもらっています。

ちょっと弱気の虫がでてしまいましたが、もともと、強がりですが、弱虫なんです。

そういう意味でも、さくらさんに助けてもらわないとと、思っています。
勝手に思っているのですが、助けてくれますよね?

コメントの投稿

-----------注意事項-----------

コメント欄ににコメントいただいた内容は、
ブログの本文に引用することがあります。
このことをご了承の上でコメントをお願いします。

管理人にのみ表示する
 

Track Back

TB URL

最近の記事

最近のコメント

月別アーカイブ

カテゴリー

最近のトラックバック

カウンター

プロフィール

一人の父親

Author:一人の父親
強迫性神経症(強迫性障害 | OCD)と闘う父親の日記。画像は娘が描いたものです。

ブログ内検索

RSSフィード

リンクと読んでいるブログ