強迫性神経症 | 強迫性障害 | OCD体験記・子育てブログ

強迫性神経症(強迫性障害/OCD)の娘と向き合う父親の体験記・子育てブログ

345.悲しすぎる約束

2009.03.22 [ Edit ]

まだ、知り合って3年の弟。
サッカーの後輩ですが、ほんとの兄貴になれたらなあと思っています。

サッカーの仲間に、娘のことを聞いてもらった時に、
施設育ちだということをカミングアウトしてくれた後輩。
施設で育ったことは、勇気を出してカミングアウトしなければいけないことなのか?
そんなふうな綺麗事を言う人が多いんだろうなと思います。
たしかに正論だと思います。
なにも恥ずかしいと思うことではないし、隠すことでもないことです。
でも、その立場に無い人が、重さを理解しないで言う理屈なのだと思います。

精神神経症をカミングアウトした時に、
よそよそしくなった友達の態度に悩んでいた仲間がいました。
きっと同じように、恥ずかしいことではないし、
隠すことでもないというふうに言う人は多いでしょう。

でも、つい最近まで、恥ずかしいことのように家族が隠してきた事実はありますし、
表に出るなといわれていた患者の苦しみも事実なのです。
可哀想にねえと口では優しく言う人が、自分の子供を近づけなかったり、
「あそこの家の娘さんは、神経症らしいよ。」と
小声で知らない人に教えたりしてきた事実があるのです。

人は、知らず知らずであるのかもしれませんが、残酷なものなのです。

士農工商も、カーストも、アパルトヘイトも、良識ある人間が作り上げたものなのです。

残念ながら、優位な者は、弱者を蔑むことが多いようです。

自分は、例外だと言うつもりはありません。
きっと、私の中にも、そんな悪魔は住みついているものなのだと思っています。

ここに、今、これを書いていることも、悪魔の所作だと言われれば、そうなのかもしれません。
後輩に、許しを得て書いているのではありませんから、気を悪くするかもしれません。


言い逃れをしておきます。
私は、今、これを書いているとき、娘のことを仲間に聞いてもらった時と同じような気持ちで、
施設で育ったことを大きな声で言う必要は無いけれど、
隠しておかなければならないことでも無いだろうと、
弟に対して思いながら書いているということは解ってくれるだろうと思っています。

前置きが長くなりましたが、
今日、彼が工場長として勤めている会社の仕事で、自宅で出来る作業があるので、
娘にアルバイトしてみないかと誘ってくれていた仕事の説明を受けるために出会ったのですが、
その時に、彼に聞いた話を、どうしても伝えたく思ったので、書くことにしたのです。


彼の生きてきた道は、私など想像も出来ない重い道のりだったと思いますし、
軽々しく、意見を言ったりしてはいけない、いや、言えないものだと思います。

そんなふうに思いながら、考えもなしに軽率に言ってしまったこと。

「厳しい道を歩んできたやろうけど、ある意味、
親や兄弟以上の仲間を持ってるとも言えるよなあ。」

言ってしまって、はっとしました。
「こういうことは、簡単に口に出したらあかんことやろアホ。」
自分に対しての、頭の中での叱責です。

その時に、それに対してではありませんが、彼が言ったこと。
衝撃でした。

中学を卒業すると施設を出て行かなければならないそうです。
いっしょに育った家族同然の仲間たちとは、別れなければならないということです。

「年に一回だけ、施設の仲間達と逢う機会をつくってるんです。」
「みんなと集まる、その機会が楽しみであったりするのです。」
「但し、その場所から別れた後、翌年のその場所に集まるまで、
誰も連絡は取り合わないのです。」
「誰一人、電話番号も住所も知らせないことになっているのです。」
「誰が、どこで、何をしているのかは、お互い誰も知らないんです。」

「えーっ?」声が自然に出てしまったほど、解らないことでした。
しばらく黙って、それから、「なんで?」

「誰かが困ってたら、絶対みんなで助けるでしょう。」
「助けられた者が、折れてしまうからです。」

こんな答が返ってきました。
衝撃でした。
解らないことはないです。
確かにそうかもしれません。

「でも、助け合えば・・・」

そんなことを、一瞬考えたりしていました。

「ドラマとは違うんやなあ。」
「すごい悲しい決め事やなあ。」

一瞬黙った彼が、短く、きっぱり言いました。

「そうです。」

もう一回、ため息のようなものと同時に私が言いました。

「悲しい約束なんや。」

「そうです。」

誰かに指示されてそうしているのではなく、彼らは、そう決めているのだと思いました。

あまりに重くて、それ以上を聞けませんでした。

ちょうど、私より10歳年下の彼が、大きな大人に感じられました。

解らないことを解ったように話したり、体現していないことを解ったようなふりをしたり、
さも共感しているように表現したりすることの愚を教えてもらいました。

彼はこんなことも言っていました。

3年前に、私の息子と知らずに、いっしょにサッカーをしている私の息子の目を見たときに、
「この子は、なんという悲しい目をしているんやろう。」そんなふうに思ったそうです。

施設に悲しみを持って入ってくる人の目を知っている彼が、施設以外で、
「あんな悲しい目をした子を見たことがないです。」、と感じたということです。

なんとか、今、頑張って仕事にいっていますが、
息子の人生も困難の多い人生です。
親の私が、助けてやれない情けなさですが、不憫な息子です。
夜中の冬の山里の川で、死のうとしたこともある息子です。

これから弟として付き合っていこうと思っている彼を、
時には年下の兄としても大切にしていこうと思いました。

悲しすぎる約束を守っていけるような強さは、まったく今の私にはありませんが、
彼を、弟として見守りながら、彼に、ほんとの強さと優しさを教えてもらおうと思っています。

何度も言っていることですが、私には、ありがたいことに、素晴らしい仲間がいます。

Comment

強いですね。

こんにちは。
その男性はとても強い方ですね。
でも、そうしないと生きて来れなかったのかと考えます。
恵まれている夢ととには、想像も出来ない事です。
それ以上はありません。


次元は違いますが、知らなければここまで重荷とならなかったかもと思う出来事が今起こってます。
実は、仕事先の店長がうつ病なのです。
仕事の重圧もありますが、夫婦仲がとても悪い事と、お父様が病気でずいぶん悪く、しかも休日に遠距離介護に通われて居るんです。
何の話からか、夢とともうつ病だと話してからは、店長がメンタル面で頼って来るようになりました。
正直重いです。
自分の事だけで精一杯なのに、「子供(娘さん3人、大学生以上)に理解してもらえない」
「旦那は、全く協力的じゃない」等々辛いことを話して来ます。

「夢ととさんならわかるでしょ」と弱音を吐きます。
夢ととも強くないので、支えきれないのです。
それに店員の1人(58歳主婦)が半年経っても覚えてないことがめっちゃ多くて、接客もハラハラするんです。
その人の悩みとかも言ってきます。
(夢とと自身もその人とシフトが同じだと疲れてしまう位です)


まぁ、全く次元が違いますが、カミングアウトも良し悪しですね。
外では頑張ってしまうので店長の補佐しちゃいますしきついです。


その方が
「知らせると助ける」って意味合いがわかるようなきがする、夢ととの現状でした。

夢ととさん、無理しないで

私の家の近くにも施設があります。私が30代の頃、婦人会の行事で慰問に行ったことがありました。幼児の部屋に案内され施設の方が「ほぅら、皆のお母さん達みたいな人達が来てくれたよ。」と話されたんです。その言葉にも驚いたのですが、子供達が大きな声で「お母さんってなぁに?」と言い出したのです。我が子と同じ位の子供達を目の前に衝撃でした。施設の子供達はうちの子と小学校も一緒でクラスの3分の1はいました。でも転校で入れ替りが激しかったです。慣れた頃に転校してしまって。夢ととさんのカミングアウトのお話。そう、それで私は知り合いには家族の話をしないことにしたんですよ。一度カミングアウトすると、その人には愚痴ってしまう。愚痴ってすっきりするかというと、そうでもない。一方的に話してすまない気持ちになってしまう。それなら別な話で元気をもらった方がいい。もちろん仕事の愚痴とかはたまに言いますけど。家族の話は相手に不愉快に思われるのも嫌ですし。なんとなく男の世界と女の世界では違う気がします。だからおやじさんの話に魅力を感じるんだと思うし、知らない人、同じ悩みを持つ人ということで、ここが安心出来ます。

連続ですいません

私の話なんですが…息子が学校を休み出した時、もちろん家族内で色々ありました。でも待つ、と決めたある日、一日目、制服が着れたけど動けなかった。二日目、制服が着れて家の門を出たが戻って来た。三日目、制服を着て学校の近くまで行って戻って来た。四日目、制服を着て学校についに入って行けたのでした。休みだった私はこっそり後から見に行き、喜びのあまり、それまで気にかけてくれた教頭先生に「門に入って行ったので宜しくお願いします。」と電話までしてしまいました。夫も休みで家にいたので二人で泣きました。お昼過ぎに満足そうに帰って来たのですが、はっきりとは聞こえなかったのですが誰かに何かを言われたとか。後で担任から聞いたのですが給食をすすめたけど今日は帰ると言った息子に対して今まで心配してくれてると思ってた先生が「やっぱりママのおっぱいがいいのか。」と言ったそうです。それでも日々苦しんでやっと行けた息子が満足そうなので、よけい悔しくて悔しくて。おやじさんも学校に対して悔しい思いをされたんですよね?
その話を仕事のパートナーにしたら「息子さん、弱いね。」と。私はそれ以来家族の話はしなくなったし、私は相手の気持ち・立場になって話を聞こうと思いました。

さくらさんへ

ご心配ありがとうございます。
話をするバランスって難しいですね。
元は、夢ととは病気を隠して採用してもらったので必死でした。
最近は従業員の人数が増えたので、体調があまり良くないからと言って出勤日数を減らしてもらってます。
外面が良いので仕事に行くと何とかこなすのですが、自宅では、不調だと1日中寝てることもしばしば。
本当に辛い発作的な状況の話は、恥ずかしいし情けないので夢ととは店長には出来ないです。

店長の周りには判ってくれる人が居ないみたいで、夢ととには話して来ます。
他の従業員さんには腰痛だとか言ってるようです。
メンタルな話って聞くと引きずられる場合があるので、こっちが駄目な時は聞き流す様にしてます。

でも、そこを辞めてもまだフルタイムで働くだけの体力が無いのと、大好きな趣味の手芸店なので、まだ当分お世話になると思います。

家庭に原因があると落ち着く居場所がないので辛いでしょうね。
夢ととも実家に帰るまではそうだったので判るだけにサポートしてあげちゃいますね。


お子様の学校の先生の言葉が許せません!
教師からのいじめってあるんですね。
子供が無いのでその辺りは無理解ですが、ひど過ぎると思います。
子供を支える保護者の愛情って素晴らしいですね。

就寝前の薬を飲んだ後なので、まとまり無い文章ですみませんm(__)m

夢ととへ

これは難しい。
山の話とは随分違って、重たい話やなあ。

助けてあげるのには限度があるし、助けてもらいたい人は、相手の負担に考えが及ばないものやからなあ。

出来るだけにすることや。

一生懸命のそれ以上は無いということを自覚しながら助けてあげることや。
夢ととのことやから、うまく話すんやろうとは思うけど、しんどくなるようやったら、うまく流してあげるようにするんやで。
断るようなことは出来へん性格なんやろ。
うまく流してあげるって表現も、夢ととなら理解してくれるやろ。

さくらさんへ

確かに、男と女の違いは大いにあると思います。

サッカーで言うと、男はフォワードで、女はディフェンスみたいな感じかな。
こんな例え、余計に解りにくいか?
自分で、勝手に納得していますよ、この表現は上手いと。
これはね、見た目だけでなく、サッカーをしっかり理解している人には深い表現なんだと思います。
この話、覚えておいて下さい。
トンネルの出口の喫茶店で出会う時に、しっかり説明してあげますから。

ところで、学校の先生の話とパートナーの話。
残念ながら、よく解る話です。
ほんとに残念ながらです。

私は、先生は、今や聖職では無いのだと思っています。
いや、そんな自覚をしている人もいるのだろうと思いますよ、ただ、多くの先生が、残念な先生に成り下がってしまっている現状もあると思っているのです。

若者が、青春をダサいものと表現するように、先生は、道徳や倫理を古臭いものと切り捨てているような気がします。
いや、これも表現がまずいかなあ。
でも、私の主観だから、いいとしておいてもらいましょう。

先日、サッカーの用事があって、教育委員会関連の場所に行った時のことです。
駐車場に車を入れていたときに、同時に2台の車が入ってきました。
狭い駐車場の中で、なんというノーマナーな運転。
私の方が先に入っていたのですが、おかまいなしに身勝手に自分達が先に停める。
結局、私の停めるスペースが無くなりました。
呆れて見ている私に見向きもせず、二人の女性が立ち話を始めました。
その二人、お互いを、先生と呼び合っています。
「先生」という言葉には、信頼と尊敬と感謝というような深く重い意味が詰まっていると思います。
彼女達は、先生という意味が解ってるのだろうかと思いながら、「馬鹿が。」と吐き捨てた私がいました。

残念ながら、そういう先生が、尊敬に値しない先生が増えているのが現状だと、私は思っています。

注意しても、先生病に罹っている彼女達には解らないだろう、逆に権利の主張でもしてきたら、自分が切れてしまいかねないので諦めて、黙っていましたよ。

人間が、心を持つ人間を教育しているということに気づいていない教師が増えているような気がします。

何とかしなければいけないと思います。
でも、世の中全てが、そんなふうに動いているんですよね。
ただし、諦めてはいけないと思います。

いつも私が言っている、隣の人に声かけましょうと言うのが、せめて出来ることなんだと思っています。

その先生には、教えてあげたいものですね。
「やっぱりママのおっぱいがいいのか。」
この言葉が、どれほど深く人を傷つけるものなのかということを。

諦めないようにしましょう。
情けないけど、諦めないようにしましょう。

自分の周りに、この意味を解る人を増やしましょう。

そんなことしか出来ませんが、諦めないで努力しましょう。

そして、そんな心を持って、子供を守りましょう。
そんな心を持って、仲間と歩きましょう。

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強迫性神経症(強迫性障害 | OCD)と闘う父親の日記。画像は娘が描いたものです。

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