401.身障者の保険屋さんとの話
2009.05.22 [ Edit ]
先日の自損事故で、保険契約の見直しをすることにしました。
S損保の保険をネットで見積もりしたところ、
なんと、現在支払っている保険料と、ほぼ同額で、
今回の自損事故がカバーできるということに気がついたからです。
だいたい、会社員として生活していた時は、
まったく、そんなことには無頓着で、
代理店の説明を適当に聞いて継続していました。
ちょっと当てはまらない比喩かもしれませんが、
「必要は、発明の母やなあ。」なんて、独り言を言いながら、
差額の計算をしていました。
自分の判断で、高額の修理代を支払う羽目になったことを自戒しながら、
穏やかな気持ちで、というか、諦めの心境で代理店の社長に電話を入れました。
「自動車保険の契約を、他社にしようと考えているのですが、
もう30年も、おたくと契約しているので、あまり、そっけなくもしたくないから、
一度、出会って、おたくの保険のメリットを説明してほしい。」
そんなことを言って、彼と出会うことにしました。
彼いわく、
「あまりの金額差に、再考してくださいと言う自信がありません。」とのことでした。
親切に、契約変更手続きを説明してくれて、
あとは、ほとんど雑談の時間でした。
S損保の保険をネットで見積もりしたところ、
なんと、現在支払っている保険料と、ほぼ同額で、
今回の自損事故がカバーできるということに気がついたからです。
だいたい、会社員として生活していた時は、
まったく、そんなことには無頓着で、
代理店の説明を適当に聞いて継続していました。
ちょっと当てはまらない比喩かもしれませんが、
「必要は、発明の母やなあ。」なんて、独り言を言いながら、
差額の計算をしていました。
自分の判断で、高額の修理代を支払う羽目になったことを自戒しながら、
穏やかな気持ちで、というか、諦めの心境で代理店の社長に電話を入れました。
「自動車保険の契約を、他社にしようと考えているのですが、
もう30年も、おたくと契約しているので、あまり、そっけなくもしたくないから、
一度、出会って、おたくの保険のメリットを説明してほしい。」
そんなことを言って、彼と出会うことにしました。
彼いわく、
「あまりの金額差に、再考してくださいと言う自信がありません。」とのことでした。
親切に、契約変更手続きを説明してくれて、
あとは、ほとんど雑談の時間でした。
30年余りの付き合いがあるわけですが、
年に一回、保険の契約続行手続きでのつながりしかなく、
ゆっくり、彼と話すのは、初めてのような感じです。
彼の愚痴を聞く時間のような感じでした。
初対面のように、自己紹介をしあいました。
彼は、かなり老けた顔をしていますが、55年生まれの54歳とのこと。
私より、2歳年下でした。
年代が同等なので、話がわかりやすく、
保険の業界の話なども、視点が同等の話でした。
「時代が変遷していることに気づかずに歳をとっているんやなあ。」
「俺は、20代のころの弟の事故処理で、保険会社によるサービスの違いに気づいて。」
「それから、ずっとAIUが良いと思って、おたくの世話になってきた。」
「でも、AIUの他との差別化なんて、他社は埋めてきてるもんなあ。」
「そういうことです。」
「AIUが、絶対的に他と違うサービスができていたのは、当時の話です。」
「そんなふうに、言うたら、俺を騙してたことになるがな。」
「いや、ここだけの話、もう、解ってはるからという前提の話です。」
「他より、良い商品を持って、そのプライドを持ってがんばってきたのですが。」
「そのプライドだけが残って、社員の質も落ちました。」
「なんか、俺が、元いた会社の話を聞いているみたいやなあ。」
などと言って、笑っていました。
「ところで、前から気になってたんやけど、その足はどうしたんや?」
彼は、身障の駐車許可証を持っていて、足が不自由なのです。
前にもいいましたが、それを直接聞くことに異論を唱える人がいたりしますが、
そのあたりの考え方は、前に話したとおりで、
私は、それを直接的に聞くことに対して、いたわりのない人間だとは思っていません。
「あー、これねえ、難病指定なんです。」
「骨頭壊死っていう病気なんです。」
「えっ、あの、美空ひばりのか?」
「よく知ってはりますねえ。」
「骨頭壊死って言うても、ほとんどわからないんですよ。」
「ということは、最近なったんか?」
「いや、20代のころです。」
「何度も手術して、人工関節が入ってるんです。」
「痛かったり、怖かったり、辛いもんです。」
「死ぬことは無いって言われてますけど、ええのか悪いのかって思いますわ。」
「そうか、辛いなあ。」
「人の背中には、いりいろな見えへん荷物が載ってるんやなあ。」
「手術も何度もしてますけど、そのたびに、怖いですしねえ。」
「この手術台に上ったら、戻る時は、今までより楽になってるんや。」
「そう、自分に言い聞かせて手術するんです。」
「痛いですしねえ。」
「なんで俺だけって思ったりするんですよ。」
娘の病気の話と、彼の病気の話。
病気談義になりました。
「仕事柄、契約の時にお客さんと車の諸費用の話になるでしょう。」
「その時に、身障者やから車の税金いらんのやろ、ええなあって話によくなるんです。」
「解ってもらえる話でもないので、笑ってますけど。」
「そしたら、変わってあげようかって心で思ってしまいますよ。」
「お客さんには、言えない話ですけどねえ。」
「そうやなあ、言うたとしても、他人には解らへんもんなあ。」
「”解ってあげよう”なら、まだええけど、”解ってやってる”、のほうが多いような気がするなあ。」
「そうなんです。」
「痛みや、辛さは、あくまで自分だけのものです。」
「でも、こんな感じで、普通に話せるのは楽ですけどね。」
「なかなか、心のガードを外しては話せないんですよ。」
そんな話を長々としていました。
種類は違いますが、苦しみを心の底に抱えているもの同士の話だったのかなあと思いました。
「お互いに、がんばろう。」
この短いコメントに、たくさんの想いを込めて別れました。
「このままで人生終わるつもりは無いからな。」
「金持ちになったら、もう一回、高い保険に入るわ。」
「近い時期の話だと、楽しみにして連絡待ってますわ。」
そんな笑い話を最後にして、彼と別れました。
「このままでは終わらへん。」
この私の短い言葉に、しばらく黙って深く考えていた彼の顔が、
強く印象に残りました。
「辛いけど、がんばろう。」
もう一度、心の中で、彼に声をかけました。
年に一回、保険の契約続行手続きでのつながりしかなく、
ゆっくり、彼と話すのは、初めてのような感じです。
彼の愚痴を聞く時間のような感じでした。
初対面のように、自己紹介をしあいました。
彼は、かなり老けた顔をしていますが、55年生まれの54歳とのこと。
私より、2歳年下でした。
年代が同等なので、話がわかりやすく、
保険の業界の話なども、視点が同等の話でした。
「時代が変遷していることに気づかずに歳をとっているんやなあ。」
「俺は、20代のころの弟の事故処理で、保険会社によるサービスの違いに気づいて。」
「それから、ずっとAIUが良いと思って、おたくの世話になってきた。」
「でも、AIUの他との差別化なんて、他社は埋めてきてるもんなあ。」
「そういうことです。」
「AIUが、絶対的に他と違うサービスができていたのは、当時の話です。」
「そんなふうに、言うたら、俺を騙してたことになるがな。」
「いや、ここだけの話、もう、解ってはるからという前提の話です。」
「他より、良い商品を持って、そのプライドを持ってがんばってきたのですが。」
「そのプライドだけが残って、社員の質も落ちました。」
「なんか、俺が、元いた会社の話を聞いているみたいやなあ。」
などと言って、笑っていました。
「ところで、前から気になってたんやけど、その足はどうしたんや?」
彼は、身障の駐車許可証を持っていて、足が不自由なのです。
前にもいいましたが、それを直接聞くことに異論を唱える人がいたりしますが、
そのあたりの考え方は、前に話したとおりで、
私は、それを直接的に聞くことに対して、いたわりのない人間だとは思っていません。
「あー、これねえ、難病指定なんです。」
「骨頭壊死っていう病気なんです。」
「えっ、あの、美空ひばりのか?」
「よく知ってはりますねえ。」
「骨頭壊死って言うても、ほとんどわからないんですよ。」
「ということは、最近なったんか?」
「いや、20代のころです。」
「何度も手術して、人工関節が入ってるんです。」
「痛かったり、怖かったり、辛いもんです。」
「死ぬことは無いって言われてますけど、ええのか悪いのかって思いますわ。」
「そうか、辛いなあ。」
「人の背中には、いりいろな見えへん荷物が載ってるんやなあ。」
「手術も何度もしてますけど、そのたびに、怖いですしねえ。」
「この手術台に上ったら、戻る時は、今までより楽になってるんや。」
「そう、自分に言い聞かせて手術するんです。」
「痛いですしねえ。」
「なんで俺だけって思ったりするんですよ。」
娘の病気の話と、彼の病気の話。
病気談義になりました。
「仕事柄、契約の時にお客さんと車の諸費用の話になるでしょう。」
「その時に、身障者やから車の税金いらんのやろ、ええなあって話によくなるんです。」
「解ってもらえる話でもないので、笑ってますけど。」
「そしたら、変わってあげようかって心で思ってしまいますよ。」
「お客さんには、言えない話ですけどねえ。」
「そうやなあ、言うたとしても、他人には解らへんもんなあ。」
「”解ってあげよう”なら、まだええけど、”解ってやってる”、のほうが多いような気がするなあ。」
「そうなんです。」
「痛みや、辛さは、あくまで自分だけのものです。」
「でも、こんな感じで、普通に話せるのは楽ですけどね。」
「なかなか、心のガードを外しては話せないんですよ。」
そんな話を長々としていました。
種類は違いますが、苦しみを心の底に抱えているもの同士の話だったのかなあと思いました。
「お互いに、がんばろう。」
この短いコメントに、たくさんの想いを込めて別れました。
「このままで人生終わるつもりは無いからな。」
「金持ちになったら、もう一回、高い保険に入るわ。」
「近い時期の話だと、楽しみにして連絡待ってますわ。」
そんな笑い話を最後にして、彼と別れました。
「このままでは終わらへん。」
この私の短い言葉に、しばらく黙って深く考えていた彼の顔が、
強く印象に残りました。
「辛いけど、がんばろう。」
もう一度、心の中で、彼に声をかけました。
Comment
最近体が重くて、走りたい、何か思いきり運動がしたいです。でも足の手術をしていて機能的に無理なんです。手術前は運動なんて嫌いだったのに。出来なくなってから気付いた幸せのひとつですね。本当は重い物も持てないんですが、職場でも普通に歩いている為に普通だと思う人がほとんどなんで無理して持ってしまいます。その後は痛みが襲ってくるし、急に転ぶこともありますが、その時はその時。まさか一人一人に自分の痛みを公言することは出来ないし、もしかしたらすれ違う人も人には言えない苦しみを持っているかもしれません。ただ家の中では労ってくれない家族にイライラはしてますね。たぶん前に説明した痛みのことは忘れているのかも。人の痛みは解りませんもの。もしくは気付かない振りをしてくれて、普通に生活させてくれているんでしょうか。
さくらさんへ
気付かない振りをしてくれて、普通に生活させてくれているんでしょうか。
この発想はすばらしい発想ですね。
なかなか、こうは考えられないし、実際は、こうじゃないことのほうが多いですもんね。
でも、こういうふうにひねくれて考えることも、良くないことですね。
まあ、自分のことを解ってもらうことも、人のことを解ってあげることも、
難しいものです。
ほんとに難しい。
でも、解ろうとすること、許すこと、包んであげようとすること。
続けていきたいです。
諦めないで、続けていきましょう。
この発想はすばらしい発想ですね。
なかなか、こうは考えられないし、実際は、こうじゃないことのほうが多いですもんね。
でも、こういうふうにひねくれて考えることも、良くないことですね。
まあ、自分のことを解ってもらうことも、人のことを解ってあげることも、
難しいものです。
ほんとに難しい。
でも、解ろうとすること、許すこと、包んであげようとすること。
続けていきたいです。
諦めないで、続けていきましょう。
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