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406.老いたお医者様

2009.05.27 [ Edit ]

今日は、私が医者に行って来ました。

もう一月以上続くきつい肩凝りと、右腕の痺れの治療の為。

椎間板ヘルニアの痛み止めの注射を、痛みが起こるたびに何十回も打ってくれた先生。
腰痛で歩行困難になると、連絡して家に来てもらって注射してもらった。
中学生のころから、骨折、靭帯断裂、捻挫、打撲、
サッカーで受けた怪我は、3年前の膝の手術以外は、すべて治してもらった先生です。

先生に、歳を聞いたことは無いのですが、
私が中学生の時には、たぶん35歳くらいだったのかなと思いますから、
もう、きっと70歳は超えているのは確実だと思います。

3年ほど、サッカー仲間の整形外科医に教えてもらった秘策で、
腰痛が発生していませんから、3年以上のご無沙汰です。

驚くほど老けていました。
病気をされて、しばらく休院されていたということを聞いていたのですが、
毛糸の帽子をかぶっている先生の様子から、
たぶん、脳溢血だったのかなと思われます。
軽くすんだのだと思われます。
手の動きなどは、ごく正常でしたから。

「ひさしぶりやなあ、どうしたんや?」
「まっすぐ歩いてきたところを見ると、腰痛とは違うんやな。」

こんな軽口を言う人ではなかったのです。
若いころは、この人は話せない人なのかと思うほど無口な先生だったのです。

「肩凝りがきつくて、もう一月くらい右手がしびれてます。」

「中国4千年の針治療やなあ。」

そう言って笑いながら、背中に針を打ってくれました。

これも、昔からいるレントゲン技師の兄さん。
この人は、たぶん、私より5歳ほど上かなあ。

「儲からへん患者やなあ、針治療は無料なんやで。」

この先生は、もともと整形外科医なのですが、
30年ほど前に、針治療の勉強を始められたのです。
看護師として奥さんがいらっしゃるのですが、その奥さんの、そのころの話。

「先生、このごろ、東洋医学に凝ってはってなあ。」
「休みのたびに、東京まで行って、針の勉強を趣味でやってはるんや。」

なので、針治療はこの先生の趣味の世界なのです。

無料やでって言う技師に答えて、

「先生の趣味やから、無料は当然でしょう。」

それに、先生が答えて、苦笑い。

「そうやなあ、趣味やなあ、これは。」と、答えたというより、呟かれました。

「ところで、サッカーは、まだやってるのか?」

「はい、まだやってます。」

「もう、ええ歳なんやから、ええかげんにしときや。」
「言うても聞かへんやろうけどなあ。」

先生の老けたが故の優しさに触れて、
自分の、さしかかる老いに気づきました。
まだまだ、自分では、老いなんていうものとは無縁だと思っていますが、
近づいてきているのか、いや、もう到達しているのかもしれないのかと、
先生の顔を見ながら想ったものです。

ありがとうございましたと、診察室を出て、診察料を支払ってから、
もう一度、診察室の扉を開けて、先生に挨拶しました。

「先生、ありがとうございました。」

こんなことを言ったら、叱られるかもしれませんが、
ひょっとしたら、先生に会うのは、これが最後かもしれない。
そんなふうに思ったからです。

人生が二度あればの歌詞が、ぼんやり浮かんできました。

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強迫性神経症(強迫性障害 | OCD)と闘う父親の日記。画像は娘が描いたものです。

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