強迫性神経症 | 強迫性障害 | OCD体験記・子育てブログ

強迫性神経症(強迫性障害/OCD)の娘と向き合う父親の体験記・子育てブログ

423.生き返った仲間

2009.06.17 [ Edit ]

亡くなった話ばかりしてきましたから、生き返った話をします。

ゲンが、早朝に亡くなった日、土曜日の練習日でした。
どうしようかなと考えましたが、ゲンを綺麗にして寝かせてやって、
線香を焚いてやって、火葬場の手配をしてから、
ショックを受けている息子と、サッカーに行くことにしました。

いつものように、30人以上のメンバーが集まっていました。

お爺ちゃんから、息子たちまでの年代を、うまく混合して3チームにして、
わいわい言いながら、試合を楽しんでいました。

いつものように、チームメートの失敗を大笑いしたり、

「へたやなあ、お前は。」
「サッカーやめてしまえ。」
「迷惑なパスを出すな。」

大きな声で、明るい悪口が横行します。
その度に、大きな、皆の笑い声がはじけます。

そんな試合の最中に、グランドの中央付近で、悲壮な大声が聞こえました。

「藤本が倒れた。」
「AEDを持って来い。」

組み分けた私のチームは休憩時間だったので、木陰のベンチで、仲間と話していたときでした。

見ると、倒れた仲間に皆が走りよっているところ、

「救急車を呼べ。」
「動かすなよ。」

とにかく、先ずは、そう叫んで、倒れているところまで全速で走りました。
足長おじさんの先輩が、携帯で救急車の手配をしてくださっているのを確認して、
倒れている藤本のところまで行き、様子を見ると、
顔色が、薄紫になっていました。

「藤本、じっとしとけ。」
「動かんでええから、ゆっくり寝とけ。」

そう、声をかけるのですが、混濁した意識の中で、起き上がろうとする。
時々、戻る意識の中で、完全にろれつが回らず、聞き取れない言葉を発する。

どうも、グランドの外に出してくれと言っている様子でした。

彼は、チームの中でも、特に真面目な性格で、
きっと、ゲーム中のみんなに迷惑だから、グランドの外に出してくれと言ってるようです。

「ええから、じっとしておけ。」

大きな声で、寝かせようとするのですが、
彼は、きっと無意識で、外に出ようとしているのだと考えた私は、
このままでは、無意識に暴れるから、安心させようと、
皆に、ピッチの外まで運んでやってくれと言いました。

グランドの外に出た彼は、すこし安心したのか、おとなしくなりました。

「外に出してやったから、ゆっくり寝とくんやぞ。」

大きな声で、呼びかけると、それが解った様子で、かるく彼はうなずきました。

ところが、それからすぐに異変が起きて、
「うーん。」と苦しそうに大きくうめいた彼の口から、泡を吹きだして、
一瞬で、顔色が濃い紫になり、身体が硬直したような状態。

私は、3年前にグランドで倒れた仲間と同じ状態だと思い、
頚動脈を確認しました。
うめいている様子が、呼吸をしているように見えますが、息もしていない。

「あかん、脈が無い。」
「ちょっと、だれか、脈を見てくれ。」

彼の右側にいた先輩が、彼の腕から脈を探してくれていますが、

「脈が無いぞ。」

すぐに、心臓マッサージを始めました。
みんなが、彼の名前を、大きな声で呼んでいます。

私は、あの時の医師の緊急処置を思い出しながら、

「周りにいる仲間に、身体をさすってやってくれ。」

とにかく、全力で、心臓マッサージを続けました。

「おーい、藤本、しっかりせい。」

大きな声で、呼びかけながら、続けました。

何分、押し続けただろう、いや、10回くらいだったかもしれません。
彼が、ふーっと、息を吐きました。
途切れながらですが、呼吸が戻った様子です。

心配が、不安が、頂点に達してきて、

「救急車は、まだか?」

大きな声で叫んでいました。

息子達が、救急車の音が聞こえてきたので、救急車を迎えに、
グランドの入り口まで走りだしていきました。

やっと、救急車が到着しました。

救急隊の方が、心臓マッサージを続けてくださいと指示、
「俺が、代わりますわ。」
小学校の先生をしている後輩が、マッサージを代わってくれました。

救急隊が、彼の脈と呼吸を機械で計ってくれました。
機械から出てきた計測紙を見ると、波形が付いていたので、すこし安心。

救急隊の話を横で聞いていたら、

「心電図は、今のところ安定。」

そのように聴こえたので、安心して身体から力が抜けました。
そこで、やっと周りを見る余裕が出来たのですが、
仲間全員の、引きつったような心配顔が目に入りました。
涙を流している奴もいました。

全員が、救急隊にてきぱきと協力して、彼を救急車に乗せ、
彼の年代の仲間が、同乗して病院に出発。

数分後に、同乗した仲間からの連絡が入り、

「救急車に乗ってすぐに、意識が戻り、今は、安定しています。」

仲間全員に、それを大きな声で報告すると、

全員から、自然に、おおきな拍手がおこりました。

山あいの公園のグランドにこだまする、おおきな温かい拍手でした。
素晴らしい仲間達の、温かい温かい拍手でした。

生き返った彼は、原因検査の為に入院はしていますが、
元気になって、仲間に感謝しています。

70歳から19歳までの、熱くあたたかい仲間達と、
生還した真面目な仲間の話です。

Comment

命のあたたかさ、重さ、尊さ。
読んでいて涙があふれました。

反面怖いと思ってもいます。

甘えてたらアカン、もっとしっかり生きないと。
でも、出来てない。
生きてるだけで良いのかなぁ?
不安がいっぱい。

夢ととへ

毎日、変化がないようやけど、何かが変わってるもんや。
生きるのは、しんどいことやけど、
生きてたら、何かと出会う。

明日は、何に出会うかわからへん。

夜になって、なんにも出会わんかったなあと思っても、
昨日とは、なにかがすこし違っていた今日のはず。

そうやって、時間は止まらないで進んでいく。

”行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。”やなあ。

生きてるだけで、ええんやで。
生きてるってことは、歩いていってるってことや。
なんにもしてないようで、少しずつ前進してるんや。

不安に思わんでもええ。
安心して、休憩しながら、ゆっくり歩いてたらええねん。

コメントの投稿

-----------注意事項-----------

コメント欄ににコメントいただいた内容は、
ブログの本文に引用することがあります。
このことをご了承の上でコメントをお願いします。

管理人にのみ表示する
 

Track Back

TB URL

最近の記事

最近のコメント

月別アーカイブ

カテゴリー

最近のトラックバック

カウンター

プロフィール

一人の父親

Author:一人の父親
強迫性神経症(強迫性障害 | OCD)と闘う父親の日記。画像は娘が描いたものです。

ブログ内検索

RSSフィード

リンクと読んでいるブログ