448.馬鹿なおやじの失敗談
2009.07.15 [ Edit ]
サッカーの後輩の、絵の仕事を、宅急便で送ることになって、
運送会社の窓口まで、娘の運転手。
「着払いでええって言っとったから。」
私は、事務所の前で、エンジンをかけて待っていました。
暑いからというのもありますが、外界と娘の接点を、出来るだけ独りでという意味が大きいのです。
この事務所の窓口は、家電の廃棄窓口も兼ねていて、
業者が、テレビをたくさん積んで出入りしており、
ちょっと汗まみれの作業服が気になります。
こんな言い方をすると、職業差別をしているみたいに聞こえますが、
娘も私も、精一杯働く人は、尊敬のまなざしで、心でありがとうを言う人間です。
でも、娘にとって、汗や汚れは、理屈ぬきに嫌悪の対象なので、
外から見ていて、廃棄業者の方と娘が、すれ違うたびに、どきどきはらはらです。
以前なら、廃棄のテレビを運んでいる人を見て、絶対は入れなかっただろう事務所です。
狭い事務所の中を、何人もの汚れた作業服の人とすれ違っています。
不安そうな顔で、泣き出しそうな表情ですが、逃げ出す様子はなく、
じっと順番を待っています。
まるで、幼児の初めての買い物を見守る親のようで、
「娘に、失礼かな?」
車の中で、声を出しての独り言と苦笑いでした。
やっと順番が回ってきて、伝票を書きはじめるのかと思うと、
男ばかりの職場で、いつも一人がんばっている、ちょうど娘と同じ歳くらいの女性に、
何か言われて、怪訝な顔で出てきました。
「荷物は送れへんらしいわ。」
「違う場所に行けって言われた。」
運送会社の窓口まで、娘の運転手。
「着払いでええって言っとったから。」
私は、事務所の前で、エンジンをかけて待っていました。
暑いからというのもありますが、外界と娘の接点を、出来るだけ独りでという意味が大きいのです。
この事務所の窓口は、家電の廃棄窓口も兼ねていて、
業者が、テレビをたくさん積んで出入りしており、
ちょっと汗まみれの作業服が気になります。
こんな言い方をすると、職業差別をしているみたいに聞こえますが、
娘も私も、精一杯働く人は、尊敬のまなざしで、心でありがとうを言う人間です。
でも、娘にとって、汗や汚れは、理屈ぬきに嫌悪の対象なので、
外から見ていて、廃棄業者の方と娘が、すれ違うたびに、どきどきはらはらです。
以前なら、廃棄のテレビを運んでいる人を見て、絶対は入れなかっただろう事務所です。
狭い事務所の中を、何人もの汚れた作業服の人とすれ違っています。
不安そうな顔で、泣き出しそうな表情ですが、逃げ出す様子はなく、
じっと順番を待っています。
まるで、幼児の初めての買い物を見守る親のようで、
「娘に、失礼かな?」
車の中で、声を出しての独り言と苦笑いでした。
やっと順番が回ってきて、伝票を書きはじめるのかと思うと、
男ばかりの職場で、いつも一人がんばっている、ちょうど娘と同じ歳くらいの女性に、
何か言われて、怪訝な顔で出てきました。
「荷物は送れへんらしいわ。」
「違う場所に行けって言われた。」
娘が断られた説明を、ドアを開けて私にしているときに、
別の年配の従業員が二人、車の横を通ったので、
「ちょっと待ってや。」
娘の話をさえぎって、聞いてみました。
「宅配便は、取り扱わないようになったんですか?」
「いいえ、取り扱ってますよ。」
当たり前のような返事に、瞬間湯沸かし器が、私の頭の中で沸騰してしまいました。
「どういうことなんや?」
「今、事務所で、ここでは取り扱ってないと言われたんやけど?」
私の剣幕と大きな声に驚いて、断った女性が走ってきました。
今度は、その女性に向かって、
「あんた、今、宅配の取り扱いしてないって言うたよな?」
「はい。」
こちらの方も、当たり前のように返事が返ってきたので、
今度は、男性の方に、
「おい、あんたは、この女性と同じ会社の人か?」
「それとも、まったく別の会社の人間なんか、どうやねん?」
「いえ、同じ会社の人間です。」
「おかしいやないか、この女性は、断りよるし、あんたらは、取り扱ってるって言うし。」
「先週、俺は、ここで宅配便で荷物を送ったんやけど、急遽、業務内容が変わったのか?」
「いえ、そんなことはなく、宅配便は取り扱ってます。」
「おまえら、ええかげんせいよ。」
「解るように説明せい。」
私の頭の中で沸騰していた湯が、爆発してしまいました。
娘の前で、ちょっとまずいなとは考えたのですが、
大きな声で、怒鳴ってしまいました。
彼女の説明によると、着払いの伝票を切らしていたから断ったとのこと。
元払いの伝票は、あるのか?と、彼女に質問すると、
元払いの伝票はあるとのこと。
「あんた、伝票を切らしてるからという説明はしてないやろ?」
「宅配は、取り扱ってないって言うたやろ?」
「はい。」
「理屈が、無茶苦茶やないか。」
「伝票を切らしているのは解ったけど、それが、なんで、取り扱ってないになるんや。」
今度は、男性の方に、
「あんた、ここの責任者のような感じやけど、そうなんやろ?」
「はい、そうです。」
「細かい話で、目くじら立てることもないと思うけどなあ。」
「上場してる立派な運送会社の窓口で、伝票を切らしてしまうのも、お笑いやけど。」
「伝票を切らしたら、業務を変更するって言うのも、お笑いみたいな話やなあ。」
「いったい、この話、どう思う?」
ここでやっと、
「申し訳ございません。」
何度も宅配便を送りにきていて、その度に、
男の職場で、てきぱき働く、この女性に、実は、好感を持っていたのと、
娘の手前もあり、さっそくフォロー。
穏かな口調で、笑いながら、
「暑いから、頭に血が上って、きつく言い過ぎたわ。」
「元払いなら、発送できるんやな?」
「はい。」
ということで、娘は、もう一度、発送の伝票を書きに事務所へ。
責任者の男性が、
「実は、郵便局の小荷物配送との合併が近くありまして。」
「その為に、伝票の変更があって、伝票を切らしてるという恥ずかしい事態になったんです。」
「なるほど、そういうことですか。」
「あの娘さんも、忙しいからの手抜き発言やったわけや。」
「いや、申し訳ございません。」
私の考えすぎかもしれませんが、
あの女性は、伝票の追加を申し出たけれど、
新しい伝票に変わるから、追加は出来ないと会社に言われて、
会社に反抗したのかな?
そんなことを、笑いながら責任者の男性に言うと、
「いや、そのとおりでは無いにしても、そんなところだと思います。」
「現場は、辛いもんです。」
と、正直に答えて苦笑いでした。
帰り際に、もう一度、叱った女性に、
「暑いからなあ、きつく言い過ぎて、ごめんな。」
「いえ、こちらこそ、すいません。」
「忙しそうやからなあ・・・」
と、笑って、頭の中は、常温になりました。
今度は、帰りの車の中、反対に頭の温度が下がっていました。
娘が怒ってるのと違うかな、と考えて、頭の温度が下がっていました。
荒っぽい口調で怒る私が、大嫌いな娘です。
「暑いと、人は怒るんやなあ。」
笑いで、誤魔化すことにしました。
「あほか。」
なんとか、セーフの感じでした。
「今度、わたしを怒ったら、わたしは死んでしまうから。」
親は、子供に厳しくするのが当たり前と、昭和の旧い頭で生きてきた私の失敗、
病気になってからの話し合いの中で出た、娘の心の奥からの言葉です。
遅まきながらですが、怒るという行為を、
穏かに話すという行為に置き換える努力をずっとしてきています。
でも、時々、本性が出てしまいます。
修行のやり直し。
馬鹿なおやじの失敗談でした。
別の年配の従業員が二人、車の横を通ったので、
「ちょっと待ってや。」
娘の話をさえぎって、聞いてみました。
「宅配便は、取り扱わないようになったんですか?」
「いいえ、取り扱ってますよ。」
当たり前のような返事に、瞬間湯沸かし器が、私の頭の中で沸騰してしまいました。
「どういうことなんや?」
「今、事務所で、ここでは取り扱ってないと言われたんやけど?」
私の剣幕と大きな声に驚いて、断った女性が走ってきました。
今度は、その女性に向かって、
「あんた、今、宅配の取り扱いしてないって言うたよな?」
「はい。」
こちらの方も、当たり前のように返事が返ってきたので、
今度は、男性の方に、
「おい、あんたは、この女性と同じ会社の人か?」
「それとも、まったく別の会社の人間なんか、どうやねん?」
「いえ、同じ会社の人間です。」
「おかしいやないか、この女性は、断りよるし、あんたらは、取り扱ってるって言うし。」
「先週、俺は、ここで宅配便で荷物を送ったんやけど、急遽、業務内容が変わったのか?」
「いえ、そんなことはなく、宅配便は取り扱ってます。」
「おまえら、ええかげんせいよ。」
「解るように説明せい。」
私の頭の中で沸騰していた湯が、爆発してしまいました。
娘の前で、ちょっとまずいなとは考えたのですが、
大きな声で、怒鳴ってしまいました。
彼女の説明によると、着払いの伝票を切らしていたから断ったとのこと。
元払いの伝票は、あるのか?と、彼女に質問すると、
元払いの伝票はあるとのこと。
「あんた、伝票を切らしてるからという説明はしてないやろ?」
「宅配は、取り扱ってないって言うたやろ?」
「はい。」
「理屈が、無茶苦茶やないか。」
「伝票を切らしているのは解ったけど、それが、なんで、取り扱ってないになるんや。」
今度は、男性の方に、
「あんた、ここの責任者のような感じやけど、そうなんやろ?」
「はい、そうです。」
「細かい話で、目くじら立てることもないと思うけどなあ。」
「上場してる立派な運送会社の窓口で、伝票を切らしてしまうのも、お笑いやけど。」
「伝票を切らしたら、業務を変更するって言うのも、お笑いみたいな話やなあ。」
「いったい、この話、どう思う?」
ここでやっと、
「申し訳ございません。」
何度も宅配便を送りにきていて、その度に、
男の職場で、てきぱき働く、この女性に、実は、好感を持っていたのと、
娘の手前もあり、さっそくフォロー。
穏かな口調で、笑いながら、
「暑いから、頭に血が上って、きつく言い過ぎたわ。」
「元払いなら、発送できるんやな?」
「はい。」
ということで、娘は、もう一度、発送の伝票を書きに事務所へ。
責任者の男性が、
「実は、郵便局の小荷物配送との合併が近くありまして。」
「その為に、伝票の変更があって、伝票を切らしてるという恥ずかしい事態になったんです。」
「なるほど、そういうことですか。」
「あの娘さんも、忙しいからの手抜き発言やったわけや。」
「いや、申し訳ございません。」
私の考えすぎかもしれませんが、
あの女性は、伝票の追加を申し出たけれど、
新しい伝票に変わるから、追加は出来ないと会社に言われて、
会社に反抗したのかな?
そんなことを、笑いながら責任者の男性に言うと、
「いや、そのとおりでは無いにしても、そんなところだと思います。」
「現場は、辛いもんです。」
と、正直に答えて苦笑いでした。
帰り際に、もう一度、叱った女性に、
「暑いからなあ、きつく言い過ぎて、ごめんな。」
「いえ、こちらこそ、すいません。」
「忙しそうやからなあ・・・」
と、笑って、頭の中は、常温になりました。
今度は、帰りの車の中、反対に頭の温度が下がっていました。
娘が怒ってるのと違うかな、と考えて、頭の温度が下がっていました。
荒っぽい口調で怒る私が、大嫌いな娘です。
「暑いと、人は怒るんやなあ。」
笑いで、誤魔化すことにしました。
「あほか。」
なんとか、セーフの感じでした。
「今度、わたしを怒ったら、わたしは死んでしまうから。」
親は、子供に厳しくするのが当たり前と、昭和の旧い頭で生きてきた私の失敗、
病気になってからの話し合いの中で出た、娘の心の奥からの言葉です。
遅まきながらですが、怒るという行為を、
穏かに話すという行為に置き換える努力をずっとしてきています。
でも、時々、本性が出てしまいます。
修行のやり直し。
馬鹿なおやじの失敗談でした。
Comment
かよさんへ
まあ、努力というよりも、歳が自然に丸くするというところで、老人の域に近づいているのかなあとも思っています。
会社でも、取引先でも、サッカーでも、うるさく、偏屈の、乱暴者スタイルを通しましたから。
自分では、あまり、そんな自覚もなかったのですが、
怖いもの無しで生きれて、損することも多かったと思いますが、ほぼ満足です。
すべてが、体育会系のノリなんだと思います。
そのへんが、大人になりきれない一番の理由でもあるのかな?
「まあ、ええか。」って感じです。
会社でも、取引先でも、サッカーでも、うるさく、偏屈の、乱暴者スタイルを通しましたから。
自分では、あまり、そんな自覚もなかったのですが、
怖いもの無しで生きれて、損することも多かったと思いますが、ほぼ満足です。
すべてが、体育会系のノリなんだと思います。
そのへんが、大人になりきれない一番の理由でもあるのかな?
「まあ、ええか。」って感じです。
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「穏やかに話す努力」をなさっているのは、すごいなあと思います。
そんな風に努力をなかなかできませんからねえ。
でも、たまに本性を出すのはいいじゃないですか。
激しい人が穏やかなフリはできますが、本当におとなしい人は人前で激しくはなれないですからね。
と、生意気なことを言っておりますが、私もどちらかと言えばお父さんと同じ種類に入ります^^;