強迫神経症 | 強迫障害 | OCD闘病記

強迫性神経症(強迫性障害/OCD)の娘と向き合う父親の体験記

697.リハビリ理解の困難さ

2017.11.15 [ Edit ]

二度目の脳梗塞発症から、2年半が経過しようとしている。

先日のサッカー練習会でのこと。
朝方までの雨で参加人数が少なくて、ハーフコートで9人対9人の紅白戦。

近くに相手選手がいると、ボールをとめた時に、身体が次の動作に入りにくく、
瞬間的な体の立て直しができないので、悔しいボールの奪われ方をする。
それと、瞬間的な逆の動きに、なかなか対応できなくて、守りが出来ない。
「守りができない」と言うのがとても悔しくて、しかし現実ではある。

それらをうまく誤魔化せるポジションは左のウイングポジション。
左は、もともと俺の好きなポジションで、右左は関係ないのだが。
ウイングポジションというのは、攻めの前列の外側のポジションをいう。
今は、ポジション用語が様々なので、昔の言い方ではある。

その左のウイングでプレーしていた時、
中央から、俺の前のスペースにいいパスを出してくれた後輩。
普通に走れれば、最高のタイミングで、抜け出して余裕をもって、パスもシュートも可能な素晴らしいパス。

必死で追いつこうと走ったが、悔しくもギリギリのところで追いつけなかった。
けっこうな長い距離を走った。
仲間から、「追いつける、がんばれ」の声が聞こえていたが、悔しい結果だった。
まあ、でも、発症直後や、なんとか歩けてサッカーに戻ってこれたころを振り返ると、
自分でも脅威的なことだと思う。

主治医の先生も、3か月毎の診察の日、俺を見て毎回驚いてくれる。
「脳梗塞のリハビリ有効期間は半年から1年が限界と言われています」
この言葉に、挑戦し続けてきた結果を毎回報告し、見てもらっているので、
杖を使わずに歩けるだけでも、すごいと思う症状があったのにと驚いてくれる。

まあ、リハビリの最高極意は、高望みすることだと思うし、
目的が明確な高望みは、リハビリを活かす元になるものだと確信する。

話を戻して、その練習ゲームが終わって、
パスを出してくれた後輩たちから、長い距離を走れるようになりましたねと褒めてもらい、
家に帰り、シャワーを浴びていた時、右足の太もも裏が痙攣。

痙攣はナトリウム不足からが主な原因なので、
塩を少し入れた水を急いで飲んだが、太もも裏の違和感がなかなか治らない。
少し痛みがあり、これって痙攣やないぞ。
ひょっとして肉離れか?

攣ったような感じと鈍い痛み。
何度も経験している肉離れの痛みを思いだした。

「え、肉離れか?」思わず声を出して独り言。
この身体で肉離れを起こしたら、サッカーしばらく出来へんぞ、という思いと、
この身体になってから、肉離れを起こすまで走れた、という喜び。
その双方の思いが交錯して、思わず声に出てしまったものだった。

誰かに報告したくなって、パスを出してくれた後輩にメールした。
いいパスで走らせてくれたおかげで、肉離れになった。
肉離れなんて、俺は、もう二度と経験しないものだと思っていたので、
バカみたいやけど、実は少し嬉しいんやと。

すぐに後輩から返信がきて、
あんなに長い距離を走られると思いませんでした。
以前から考えるとすごい進歩ですねと。
その返信メールの結びに、完全に回復されるまで頑張ってくださいとあった。

嬉しい、温かい返信メールだったのだが、
「完全回復」なあ・・・
完全に、元のように走れるというのは、絶対無理なんやけどなあ。
まあ、そこは解った上で、「完全回復」という言葉を使ってくれたものやろうなあ。
励ましなんやと思っておこう。

そのようには、考えたのだが、
「完全回復」という言葉を、ずっと頭の中で復唱している俺がいる。

健常者から見れば、あの動けなかった先輩が、順調に回復してきている。
このペースでいけば、完全に元に戻れるんやろう。
そういうふうに、見えるのかもやなあ。

娘の発症当時にも、専門家である医師から、
それも複数のお医者先生が、
「気にするな」とか、
「朝早く起きて、太陽の下、散歩すれば治る」などと、平気な顔して話してくださったものやもんなあ。

脳梗塞のリハビリも、
神経症のリハビリ(こう表現するのが正しいかは別にして)も、
他人に理解してもらうことは、ほんまに難しいものやなあ。

まあ、これも、高望みなんやろうなあ。

自身の中で、人知れずに、頑張ればええわ。









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